◆◆梅雨〜夏の過ごし方◆◆


 そろそろ梅雨入りの時期ですね。梅雨から夏にかけては気温も湿度も上昇し、「蒸し蒸し、ジメジメ」として来ます。この時期は私達人間にとっても過ごし難い季節ですが、「全身毛に覆われ」「汗をかくことが出来ない」という動物達にとっては、特に過ごし難い季節となります。
 これからの季節に罹りやすい病気や、暑い時期に注意すべき点などを以下に幾つか挙げておきましたので、これらのことに気を付けて暑い季節を「健康」に元気良く乗り切ってください。

フィラリアノミなど寄生虫の予防

 気温が暖かくなってくると活動を始めるのは蝶やバッタなどの昆虫ばかりではありません。ノミやダニなどの、人や動物にとってあまり有難くない「虫」;即ち寄生虫などの「虫」もまた、活発に動き始めます。フィラリア(犬糸状虫)を媒介する「蚊」もまた同様に、暖かくなると吸血を始めます。ノミやダニなどの「外部寄生虫」は、痒みや皮膚炎の原因になるだけではなく、ウイルス病やリケッチア、原虫など病原性微生物を媒介することでも知られています。これらの感染症の中には人にも感染する可能性のある「人畜共通感染症」も含まれていますので、確実に予防することが大切です。


熱中症

 環境中の湿度や温度が上昇することで最も気をつけなければならないのは、この「熱中症」の発生です。真夏に庭や日陰の無い広場などの屋外に犬を長時間放置したり、激しい運動をさせたりすると、体温が異常に上昇して「熱中症」になることがあります。また風通しの悪い室内で留守番をさせたり、外出時に車の中で待たせたりすることで、熱中症を引き起こすこともあります。高齢の動物、肥満傾向のある動物、短頭種(ブルドッグ・パグ・シーズー etc…)、超大型犬、皮毛の密な犬種(北方原産の犬;S.ハスキー・サモエド・キースホンド etc…)などでは、熱中症を起こす危険性が高いと考えられます。また黒い毛色を持つ犬は、野外で日射病にかかる危険性が上昇します。犬以外の動物では、ウサギやモルモットなどが「暑さ」に非常に弱いことが知られています。
 熱中症を防ぐためには、動物を「暑く、湿度の高い」環境に置かない、と言う事が大切です。室内で留守番をさせるときには風通しを良くして室内の温度を調節すること、場合によっては(昼の最も暑い時間帯には)軽くエアコンをかけてあげることも大切です。また新鮮で清潔な水をいつでも摂取できるようにして、脱水を予防することも非常に重要です。

 

● 皮膚病

 ノミやダニの発生に伴って、暖かい時期には「皮膚のトラブル」が多発します。もちろんアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は秋や冬に悪化する場合もありますし、全ての皮膚病が春・夏に発生する訳ではありません。しかし、何らかの原因で発生した皮膚炎が細菌やカビなどの二次的な増殖により悪化したり、ノミアレルギーを併発したりして重症化してしまうことは、これからの時期には良く見られます。また夏場にはキャンプなどで野山に行く機会も増えることと思われますが、山道や草むらを歩き回って体中にマダニが寄生してしまう、などという事もよくありますし、川で泳いだ後そのままにしておいたために皮膚炎を起こして、お腹や腋の下の皮膚が真っ赤になってしまった、というケースもあります。川や沼地などで犬を泳がせた後は、水道水で汚れた水をきれいに洗い流した後、被毛を乾かしてあげてください。

 

● 食餌について

 最近は自分達の食べるものだけでなく、犬や猫などの動物達に与える食餌についてもこだわりを持つ人が増えてきました。これに合わせてペットフードも「無添加」を謳ったものが増えてきました。保存料などが無添加の食餌を与えることは決して悪いことではありません。しかし「保存料が含まれていない」と言う事は、それだけ「腐りやすい」ということでもあります。梅雨時や夏は特に、フードにカビが生えたり劣化したりし易いので、充分注意する必要があります。一度封を切ったドライフードは毎回しっかり蓋をして涼しい場所に保管し、出来るだけ短い期間(できれば2週間以内くらい)で食べ切るようにしてください。缶詰フードの場合は、一度開けてしまうと冷蔵庫に保管しても数日でカビが生えてしまう可能性があります。小型犬などの場合で、1缶を1〜2日で食べきれないような場合には、少々面倒ですが1回分ずつ小分けにして冷凍し、毎回必要分だけ解凍して与えるという方法もあります。「傷んだ食餌」を与えることは、「保存料」を口にすることの何十倍も体に悪い、と言う事を忘れないでください。

 

● 中毒など

毒物や薬物による中毒は、梅雨時や夏に限らず1年中いつでも起る可能性がありますが、特にこれからの時期に注意すべきものには次のようなものがあります。
・カビが生えたり傷んだフード(前述の通り)を与える
・殺虫剤、除草剤、殺ナメクジ剤などの薬剤の誤食
・蜂、虻、ムカデなどの「害虫」に刺される
・カエルやトカゲ、ミミズなどを食べてお腹を壊したり寄生虫に感染したりする
・沼地の「藻」や屋外の植物、その球根など(毒を含んだものがある)

 

 特に夏場は動物達(特に犬)を屋外に連れ出したり、キャンプ、旅行などで外出させる機会も増えます。思わぬところで事故に会ったり、迷子になったりすることもありますので、充分に注意してこれからの「楽しい季節」を無事に過ごしてください。

2006年6月3日

 


CLOSE