■■コーヒーで肝癌予防??


平成17年1月21日 日本経済新聞
平成17年2月17日 YOMIURI ON LINE< http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news_i/20050217so12.htm>
 (以下記事の引用)

 『コーヒーを1日に1杯以上飲む人が肝臓がんになる危険性は、全く飲まない人の6割程度。東北大の辻一郎教授(公衆衛生学)らが21日までに、約6万1000人の追跡調査結果をまとめた。大津市で開催の日本疫学会で22日発表する。辻教授によると、コーヒーに含まれるどんな物質が作用するかはよく分かっていないが、肝硬変の発症リスクを低下させる可能性があるほか、動物実験では成分のクロロゲン酸が肝臓がんの発生を抑制したとする報告もあるという。1984―97年に40歳以上の男女を7―9年間追跡調査。計約6万1000人のうち、調査期間中に新たにがんになったのは117人だった。年齢や性別などの要因を考慮して解析した結果、全く飲まない人の危険度を「1」とした場合、1日平均1杯以上飲む人は0.58、1杯未満の人は0.71だった。 がん以外の肝臓疾患を経験した人や60歳以上の人、過去に喫煙経験がある人では、こうした傾向が特に強かった。辻教授は「年齢や性別、飲酒状況などで分けて解析しても傾向は変わらなかった。ただし、コーヒーに砂糖などを入れすぎると体に良くないので注意してほしい」としている。 』


《コメント》

 コーヒーメーカーやコーヒー党の人には朗報でしょう。私もコーヒーは大好きなので、悪い気はしません。しかし、だからと言って「コーヒーを飲めば飲むほど体に良い」と言うような過剰な宣伝文句を真に受けるべきでは無いでしょう。厚生労働省研究班;国立癌センターの金津先生のコメントにもあったと記憶していますが、「これがコーヒーによる作用なのか、あるいは肝臓癌の人はコーヒーを飲むと(低下した肝機能のため)具合が悪くなるのでそもそもコーヒーの摂取量が少なく、たまたまこのような結果に見えてしまったという可能性も否定できない」としています。本当にコーヒーが効いたのか、肝癌の人がコーヒーを飲まなかっただけなのかは今後の研究・調査を待たないとはっきりしないでしょう。

 コーヒーには多くの有害物質が含まれている事が知られています(もちろん日常的な摂取では問題になる量ではありませんが)。何事も「ほどほどに」が一番です。決して1日30杯も40杯も飲む事が体に良いわけではありません(ある研究では成人の致死量は100杯と言われています)。まして、犬や猫などの動物にコーヒーを摂取させるなどと言う事は絶対にしないで下さい。たとえある程度(ヒトで)肝癌を抑える効果があったと仮定しても、それ以外の物質が、動物では中毒を引き起こす可能性が非常に高いと考えられるからです。

 このタイプの調査は、解釈の仕方によって好きなように結果を導く事ができるため、注意が必要です。「本当のこと」が判るまで、無批判に飛びつくのは危険な場合もあります。

 そのようなことはともかく、私自身はコーヒーが大好きです。コーヒー好きから言わせれば、「健康のためにコーヒーを飲む」というのはなんだか「違う」ような気がしますが、如何でしょうか?


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