■■豚肉でE型肝炎に感染


共同通信<http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/shakai/20041128/20041128a4630.html?C=S>
朝日新聞<http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20041128/K2004112801370.html?C=S>

《以下引用》

2004年11月28日(日)
豚内臓でE型肝炎に感染か 北海道で6人感染、1人死亡

 北海道北見市内の焼き肉店で、豚の内臓などを食べていた6人がE型肝炎ウイルス(HEV)に感染し、うち男性1人が劇症肝炎で死亡していたことが28日、厚生労働省と北海道の調べで分かった。集団感染の疑いがあるとみて、厚労省などで感染源の特定を急いでいる。HEVの感染源は、野生のイノシシの肉などの報告例はあるが、流通食品が特定されたケースはないという。

 厚労省や北海道などの調査によると、道内に住む親類14人が8月、同市内の焼き肉店で会食した。このうち60代の男性が10月に劇症肝炎で死亡。14人のうち死亡した男性を含め、6人がHEVに感染していたことが確認された。5人は発症していないという。

 会食した人の話によると、数人がレバーなど豚の内臓を食べていた。焼いて食べたのか、生焼けだったのかなど食べ方は分からないという。

 道庁などは、感染者の抗体の型が同一ではないため、この焼き肉店の豚肉が原因でない可能性もあるとみて、店から豚肉のサンプルを求めたり、従業員の健康状態を確認したりして調べている。

 感染した1人が献血し、その輸血を受けたリンパ腫の男性がHEVに感染したため、厚労省などが調査を始めていた。

 E型肝炎は、主に汚染された水や食べ物から感染する。発症しないことも多い。潜伏期間は5〜6週間で発熱、だるさ、黄疸(おうだん)などの急性肝炎症状が起きる。ほとんどの場合、水分や栄養の補給と安静によって1カ月ほどで回復する。HEVは加熱すれば死滅するが、豚のレバーなど内臓には残りやすく、厚労省は生焼け、生食を避けるよう呼びかけている。


《コメント》

 「生焼けの豚肉を食べてはいけない」というのは、昔は常識でした。これはE型肝炎ウイルスの感染を防ぐため、と言うよりもむしろ、トキソプラズマなどの原虫症に感染するリスクが高いと考えられていたからです。今と比べると、昔の食用豚の飼育環境は決して衛生的なものではありませんでした。豚舎の中を野良猫(あるいは飼い猫?)がウロウロしており、もちろんそこで排泄もしていました。猫の排泄物に混入しているトキソプラズマ原虫のオーシスト(卵ではありませんが、卵のようなもの)は、餌と一緒に豚の口に入り、その結果、多くの豚がトキソプラズマ原虫に感染していると言われていました。この豚肉を加熱しないで(あるいは不十分な加熱で)人が食すると、豚肉の筋肉や臓器の中に待機しているトキソプラズマのシスト(原虫を含んだカプセルのようなもの)を摂取することになり、人がトキソプラズマに感染することになります。従って、豚肉は絶対に生で食べてはいけないし、生の豚肉を切った包丁でそのまま野菜を切ってサラダなどにすることも、非常に危険であると言うのは、以前は常識でした。

 もちろん今でも「豚肉を生で食べてはいけない」というのは常識なのですが、豚の飼育状況が改善されてきたためか、衛生対策が進歩したためか、以前ほど「豚肉のトキソプラズマ」が騒がれないようになり、現在では少しずつ忘れられて来ているのかもしれません?

 しかし、それでも「豚肉を生で食べてはいけない」のは常識です。しっかり焼いて食べれば、肝炎ウイルスに感染する心配もありません。


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