■■「ニセ科学」シンポジウム開催


yahooニュース《毎日新聞》
学習院大学理学部物理学教室


<以下引用>

<ニセ科学シンポ>血液型性格診断など議論 愛媛大で開催へ

 「ニセ科学」について議論するシンポジウムを、日本物理学会(佐藤勝彦会長)が30日、愛媛大学(松山市)で開く。血液型による性格診断など、社会に広く受け入れられている「科学的に見える非科学」にどう対応すべきか考える初の取り組みだ。
 シンポジウムを提案した田崎晴明・学習院大教授(統計物理学)によると、科学的に明確に否定されているのに「科学らしく」宣伝されている事柄をニセ科学と呼ぶ。検証が待たれる理論は別にして、ニセ科学は科学らしさを装った偽物という解釈だ。
 シンポジウムでは、個別の事象について「本物か偽物か」を議論することはしない。こうした事象が信じられるのはなぜか、専門家としてどう対応することが適切かを話し合う。
 社会では血液型性格診断が差別を生んだり、さまざまな「科学的効能」をうたう水や家電が高価格で売られている。田崎教授は「ニセ科学が道徳の授業で教えられた例もあり、物理学者として見過ごせない。科学的な考え方よりも『これは正しい、これはウソ』という知識として理科が教えられており、ニセ科学を見極める判断力や批判精神が育ちにくいことも問題だ」と指摘する。
 シンポジウムは春の学会の一行事のため、学会への参加登録を済ませた人だけが参加できる。

(毎日新聞) - 3月29日10時51分更新


<コメント>

 「ニセ科学」とは所謂「似非科学」とも言います。
 学習院大学の物理学者、田崎先生のホームページでは、ニセ科学に対して以下のような説明がされています。

「科学の成果の最良の部分がほとんど疑う余地なく真実に近いのに対応し、一部の「科学」を装った言説はほとんど疑う余地なく何の根拠もないニセモノである。そういった「ニセ科学」は、多くの場合、営利活動と結びついており、科学的であると思わせるような言説を用いることで、おそらくは意図的に、科学に無知な人々を欺こうとしているように見える。大手電機メーカーやマスコミを巻き込んだ「マイナスイオン」なるものをめぐる騒動は記憶に新しい。また近年では、たとえば「水に優しい言葉をかけると美しい結晶ができる」とする、いわゆる「水からの伝言」が、小学校の道徳教育の現場にまで使われるといった事態がおきており、「ニセ科学」の社会的影響力は相当に大きなものになっている。 」

  一般市民を対象にして、テレビや宣伝で購買意欲を刺激するため「ニセ科学・似非科学」を利用するのは今までも行われてきています。当サイトでも時折、「正しい科学的知識」で似非科学と本物の科学を見分けることの重要性を強調しているつもりですが、小学校の授業で「ニセ科学」を教え込まれてしまったならば、その子供が大人になったとき、「ニセモノ」と「ホンモノ」を見分けることすらできなくなってしまう可能性があります。このような教育を受けた子供には「理系」の職種に進む道が閉ざされてしまう、という恐ろしい事態を招きかねません(決して大げさではないでしょう)。このように、子供の将来を(部分的にせよ)奪ってしまう教育というのは、私には「犯罪的」としか思えません・・・・。
 「ニセ科学」と「本当の科学」を見分けるには、常に最新の科学情報を収集するなどという必要性は必ずしもありません。もちろんそれが出来れば一番良いのでしょうが、科学者にとってすら自分の専門外の分野の最新情報を常にアップデートしておくことはとても大変なことです。ひとつひとつの知識に関して詳しい情報を知らなくても、小学校や中学校で習う基本的な知識があれば、そして「科学的にものごとを考える」という習慣さえ身につけば、たとえ知らないことでも「すぐに信じてよいものか、眉に唾をつけるべきか」の判断ができるようになります。「科学的思考」と言うのは、単に「雑学」と言うだけではなく、自分自身の健康(ときには命さえ)を守るため、そして自然や地球環境を守るためにも、現代人には欠かせないものではないでしょうか。

2006/3/29


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