■■タミフルで異常行動死


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《以下引用》

タミフル 服用後 2人異常行動死 学会で報告 副作用との関連不明

 インフルエンザの治療薬「タミフル」(リン酸オセルタミビル)を服用した患者2人が異常行動を起こし、事故死していたことが、NPO法人「医薬ビジランスセンター」(大阪市)の調査でわかった。同センター理事長の浜六郎医師(60)が12日、津市で開催された日本小児感染症学会で発表した。浜医師によると、昨年2月、岐阜県内の男子高校生(当時17歳)がタミフル1カプセルを服用、約4時間後に、近くの道路のガードレールを乗り越え、トラックにはねられ死亡した。
 
今年2月には、愛知県内の男子中学生(当時14歳)が1カプセルを飲んだ約2時間後に、自宅マンションから転落し死亡していた。
 
タミフルには異常行動や意識障害などの副作用があるとされ、浜医師は「いずれも副作用による異常行動が死につながった事例」と話している。
 
これに対し、厚生労働省研究班のメンバーで、小児インフルエンザに詳しい横田俊平・横浜市大大学院教授は「意識障害からくる異常行動は、脳炎・脳症の症状でもあり、発表事例もそれに含まれるのではないか。タミフルの副作用とまでは言えない」と話している。
 
タミフルの副作用については昨年6月、厚労省のまとめで、服用した14人が幻覚や異常行動、意識障害などを訴えていたことが判明、同省は医療機関に注意を呼びかけていた。また、副作用が出る可能性を使用上の注意書きに明記するよう、輸入販売元の中外製薬に指示している。

 タミフル;インフルエンザの治療薬として国内で最も使われている。スイスの製薬会社「ロシュ社」が製造し、国内では中外製薬が輸入販売元になっている。医師の処方が必要で、市販はされていない。厚労省は新型インフルエンザの発生に備え、2500万人分のタミフルの備蓄を進めている。

(2005年11月13日 読売新聞)


《コメント》

 鳥インフルエンザの脅威が高まる中、こんな報告がありました。タミフルはスイスの「ロシュ」と言う製薬会社が独占的に製造・販売しておりますが、世界中で使用されているタミフルのうちの約80%は日本で消費されているそうです。これは幾らなんでも使いすぎです。ロシュは、「タミフル服用では異常行動死のリスクは上昇せず、インフルエンザそのものの症状だった可能性もある」と言う見解を出しているようです。現段階では本当にタミフルの副作用だったのかどうか、はっきりはしませんが、日本人はタミフルを使いすぎ、と言うのは事実ですから、これは改める必要があるでしょう。ロシュは「鳥インフルエンザに備えてタミフルの生産を増加させ、安価で供給する」と言うことで、海外向けの卸売価格を発表したようです。しかし現在、国内のタミフル備蓄量は、厚労省の計画の0.4%しかない状況で、「鳥インフルエンザ対策」としては完全に不足している、と言うことになります。これは先ほどの「日本で80%消費」と矛盾するように聞こえますが、そうではありません。通常のインフルエンザに対する使用と、今回の「鳥インフルエンザ(新型インフルエンザ)に対する対策は、全く別物と考えなければなりません。鳥インフルエンザが、人にも感染する「新型インフルエンザ」に変異して、世界的な流行が起きた場合、厚労省の予測では、日本国内で約2500万人が感染し、そのうち64万人が死亡する可能性がある、としています。これはつまり、日本人の4~5人に一人は感染する、ということです。いざと言うときのため、通常のインフルエンザに対して、無闇にタミフルを使用するのを少し制限する必要があるのではないでしょうか?

 今回報告された、「タミフル服用に関連した異常行動死」が、本当にタミフルの副作用であり、そのためにもしタミフルの製造・販売が中止されたりすると、われわれ人類は「新型インフルエンザ」に対する対抗策を「一切持てない」ことになってしまいます。CDCの試算では、世界で30億人が感染し、6000万人の死者が出る可能性がある、としているこの人類最大の敵に対し、丸腰で臨まなければならなくなるのです。これはどう見ても勝ち目がありません。「ロシュ」も「日本政府」もFDAも、結論を避けるような内容の見解になってしまうのも仕方のないことかもしれません。

 ではもし、国内でこの脅威の新型インフルエンザが流行したとして、自分の子供が感染したら、タミフルを飲ませるか?…答えは明白です。当然飲ませる方を選択するでしょう。タミフルによる副作用死よりも、新型インフルエンザによる死亡のリスクの方が恐らく何十、何百倍も高いと思われるからです。


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