■■ウコンで肝障害


Yahoo!ニュース<http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041019-00000004-kyodo-soci>

<肝臓の働きを高めるとされるウコンを粉末にした健康食品の摂取がきっかけとなって、東京都内に住む肝硬変の60代女性の症状が悪化し死亡していたことが、東京逓信病院が同病院の患者を対象に実施した調査で18日分かった。
 調査では、このケースを含めて1996年以降、18人がウコンなどの健康食品との因果関係が疑われる肝障害を発症。厚生労働省研究班の調査でも、比較的安全性が高いとされているウコンによる肝障害が相次いでいることから、同省は対応を検討している。
 同病院消化器内科の橋本直明部長によると、原因は不明だが、代謝物質が肝臓に負担をかけたり、アレルギー反応を起こしたりした可能性があるほか、摂取開始で気がゆるみ生活習慣が乱れたことも考えられるという。>


《コメント》

 いわゆる健康食品による健康障害は後を絶たないのですが、それでも今まで比較的安全だと考えられており、「ターメリック」として一般家庭の食卓にもあるようなものでこのような健康被害が出ていたという事実は驚きです。 

 ウコンは「肝臓に良い」と一般に言われている事が多いため、肝臓に何らかの病気を持ったヒトが摂取するケースがよくあります。「肝臓に良い」ということは、肝臓で何らかの薬理作用を示す、ということでもあるので、肝硬変など著しい肝機能低下を持つヒトの場合は、気をつけたほうが良いでしょう。

 一般にこのような「健康食品」や「漢方薬」などは、体に優しく副作用が殆ど無いため、重症や末期の患者にも安全に使用できる、との認識が広まっているようですが、むしろ重症患者や、著しい代謝性疾患を持ったヒトでの副作用報告が目に付きます。この理由としては、

1)これらの健康食品の多くがもともとある程度の毒性を持っており、健康なヒトでは問題なく代謝される(もしくは健康にプラスに働くかもしれない?)が、代謝機能の低下した患者では毒性を発現する。
2)しかもこれらの健康食品は、いわゆる医薬品よりも安全だ、とマスコミなどで吹聴されているため(そして一部の医療関係者もそのような誤った認識をもっているため)、高齢者や重症患者での使用頻度が高い。

などが考えられます。

 私自身、重度の肝線維症で治療していた犬が、最近になってどんどん症状が悪化し、それまで服用していた「田七人参」や「プロポリス」、「ウコン」などを調合した「サプリメント」を中止してもらったら改善した、という症例を経験したことがあります。1例だけでは何とも言えませんが、可能性の一つとしては、検討の余地があるように思っています。

 今のところ、はっきりした原因は判明していないようですが、「健康食品」の安全神話を無防備に信じる風潮は、改める時期に来ているのではないでしょうか?


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